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尼寺、行きました。

ついに、念願の円照寺に行ってきました。

円照寺は「月修寺」のモデルで尼寺。
私が今回参加したバスツアーは、他にも
興福院(こんぶいん。これも尼寺)と、
正暦寺(しょうりゃくじ。これは尼寺でない)を訪れました。

バスは満席。
非公開、または要予約の寺のツアーなので、人気があるそう。
私の隣の男性(70才位)は、やはり一人での参加でしたが、
「尼寺に行きたかった。尼さんのスカートをめくりに」
と、参加動機を告白。
やはり男って、いくつ年を取っても救いようがないよね。脱力。

円照寺を見る前、バスガイドさんから厳しい注意がありました。
「すべて、お寺の人が言うことに従うこと。歩くのは、敷いてある飛び石の上だけ。
何かあったら、もう来年のツアーはありません。」
つまり、このお寺はこのツアー客だけに、しかも年に4~5回だけ、
特別に公開してもらっているので、機嫌を損ねたらもう次はないのだそうです。
さすが、代々皇族から門跡が出ていただけのことはあり、
思いっきり、高飛車なわけです。

画像 021 バス停。ここから山門までの参道は長い。
二十歳の清顕は血を吐きながら、
さらに六十年後、老醜の本多はよろめきながら、この参道を歩いた。
「山門までの昇りの参道は遠く、…どうしても六十年前の清顕の辛苦を、
我が身に味ははねばならぬと思つてゐたのである。」が、本文。



画像 040山門の門柱。
六十年の歳月を過ごしてようやくここにたどり着いた本多は、
自分がここにいるのが信じられない気持になる。
「左の門柱には、月修寺門跡と誌した小体な女らしい表札があり」が本文。




画像 022
山門を潜って、いよいよ本堂に入るところ。歩くところは「飛び石の上だけ」なので、
ツアー客は皆、一列になって行進。



本堂とご本尊の如意輪観音は撮影できなかったので、省略。

そして、ここが…

画像 030
あの、ラストシーンの「広大な南の御庭」右側。
「芝のはづれに楓を主とした庭木があり、裏山へみちびく枝折戸も見える」が本文。



画像 028 これが、上の庭の左側。
「左方の一角に古い車井戸が見え」とある本文のままの風景。




三島は、円照寺に通って取材し、『豊饒の海』を執筆したと、
説明係の寺男は言ってました。

でも結局、本物のご門跡には会うことができず、尼寺なのに尼僧は一人も登場しませんでした。
残念!!
やはり、「聡子」に会うことは難しいことだったのですねぇ、実際。

件の「スカートめくり」目的のおじさんは、
「今日、円照寺を説明した寺男は、さすがにプロだった。
アマが居なかっただけに…」と、言っていました。
オヤジギャグに、また脱力。


今日は疲れたので、また。


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COMMENTS

はじめまして

妹子さま、はじめまして。
NAGI こと、広島の ありもと と申します。

円照寺の中を見学されたのですね。うらやましい!
私も門前までは行ったことはあるのですが、中に入ることはかなわず。2~3月の奈良交通のツアーにいちど参加してみたいと思いながら、年度末のためなかなか行けなくて。。
妹子さんのレポートを涎をたらして拝見しました。

ところで、妹子さんの『豊饒の海』論、とても興味深く拝読させていただいています。聡子の結末の言葉を唯識で読まない論の嚆矢であり、テクストを深く読み込んでおられて、たいへん刺激的です。

私自身は、聡子については、髪を下ろした場面の、語り手が聡子に内的焦点化した語りがカギかなと感じています。
妹子さんのご論考と深く対話することはできなかったのですが、このたび『豊饒の海』に関する論文集を上梓しましたので、送らせていただきます。お暇な折にご笑覧いただけますと幸いです。

それでは、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

これはこれは!

ありもと様。
コメントを頂けるとは身に余る光栄でございます。
拙論では、ありもと様の論も引用をさせていただきました。
その節は、大変失礼いたしました。

論文集の発行おめでとうございます。
しかも、送って頂けるとのこと、大変恐縮です。
ありがとう御座います。本当に楽しみです。

ところで、私も、三島の論文を書き進めなくてはと思いつつ、
全くもってサボったままです。
連休明けに、そろそろ『奔馬』に取りかかるべく、
指導教官と約束いたしました。つまり、
ナントカしなくてはならない状況を自ら作りました次第。
歩みは亀のようですが、『豊饒の海』は、
私のライフワークになりそうです。
今後ともどうぞ、宜しくお願いいたします。



由紀夫クンにもよろしく

次は『奔馬』論ですか・・。これまた楽しみです。
自分で自分を追い詰めないと何もできないですが、でもしんどいですよね。季節の変わり目ですので、どうぞご自愛なさりつつ、ご執筆を。

こちらのブログを発見して、妹子さんがプロのライターさんだとわかって、納得する部分が多かったです。
ラジオもぜひ拝聴したいものですが、キョリがうらめしい。

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