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誘われ続けて30年…。名曲が語る、草食系男子の実態。

画像 003 座椅子に閉じこめられ、ふてくされる由紀夫。出られないのが不思議。



Pink Tea Time 2010年1・2月号

誘われ続けて30年…。
名曲が語る、草食系男子の実態。


一月十一日
「何もしない」「何も出来ない」、ただ時の流れに身を任せ~という消極的恋愛生活、いや、恋愛無縁生活を送る、使い物にならない男の話は、去年さんざん話題にした。
そして念のため、周囲の独身男子六人(二十~四十代)にインタビューしてみたところ、なんと六人が六人とも、
「女性を自分からは誘えない。基本的に誘われるのを待っている」
 と言うではないか!
 驚愕である。ここにも居たか、「誘われ王子」。これから日本は一体どうなるのか。彼らに国は守れるのか? という猛烈な憂国の念に駆られたのは言うまでもない。 
 そしてその、ピキッと私のこめかみに、一本の青筋が立った一瞬の後、頭の中には一つの旋律が奇跡のように流れていた。
「ん? この曲はッ・・・?」
 それは昔、十代の桜田淳子が歌っていた歌謡曲『しあわせ芝居』であった。
『しあわせ芝居』…。
 一九七七年にリリースされた、淳子二十一枚目のシングルである。
 第一回「ザ・ベストテン」に第三位で初登場し、第二十回日本レコード大賞で、栄えある金賞を受賞。作詞作曲は、あの怪獣シンガーソングライター中島みゆき。当時十九歳だった淳子が第二十九回紅白歌合戦で歌った曲でもある。
 因みにこの回の紅白で、薄幸の兄弟デュオ「狩人」が二回目の出場を果たしているが、歌ったのは『あずさ2号』ではなく、『国道ささめ雪』という聞いたこともない曲である。こんな曲、どこにあったのか。「狩人」評論家の私としては実に心外であった。
 そして案の定、その後彼らが紅白に出ることは二度と無かった。JRでなく国道路線に変えたのが、失敗の元かもしれない。

一月十二日
 いや、話を戻そう。
 淳子の『しあわせ芝居』…、それはこんな歌である。
 泣きながら電話をかければ馬鹿なヤツだとなだめてくれ、眠りたくない気分の夜は物語を聞かせてくれるという、とても優しい恋人を持つ、喋り方に特徴のある一人の女。幸せだと思っていたその女が、ふと、あることに気づき愕然とする。電話してるのは私だけ、会いたがるのは私だけで、恋人から来ることは決してないということに…。
 男にもてなかった私は当時、
「ざまぁみろ」
 と思いながら聞いたものだが、三十年経って考えれば、問題はそんなところにあるのではないと、今気づいた。問題は淳子の方にあるのではないということに、私は今、気付いたのだ。なぜなら、この歌詞中の男は、現代の「誘われ王子」の特徴に酷似している。私はその時、ピキッと憂国の青筋を立てながら気付いてしまったのである!
 つまり、こういうことだ。
 自分から行動を起こさない「草食系」と言われる男は、実は最近出現したわけではなく、昔から存在していたのだ。
 だから淳子は、完全に勘違いしていた。相手は単に誘われ王子であっただけで、「電話してるのは私だけ」など悲観する必要は全く無かったのである。

一月十三日
 そもそも、「以前、デートは男から誘うものだった」というのは幻想ではないのか。別に男から女を捕まえに行ったわけではなく、ただ日本には「見合い」というシステムがあり、周囲がお膳立てしただけである。
 それなのに、「バレンタインデー」という伴天連(ばてれん)の祭が日本に定着し、この「男主導幻想」を作り上げた。バレンタインデーは、年に一度、女性から恋を告白できる日。だからその日以外の告白は、男主導が当然だという幻想に、日本全国民が陥ってしまったということではないのか。
 そういえば大昔。私もバレンタインデーには思い出があったよな。手編みの襟巻きをあげようと、好きな男のために必死で編んだが、不器用で四苦八苦している間に、友達のA子に先を越されたのである。このように男は昔から、待ちの姿勢であった。
 因みに、同じ回の紅白歌合戦でトリを務めたのは『プレイバックPart2』の山口百恵だが、この名曲でも強い女が主導している。
「勝手にしやがれ。出ていくんだろ」と強がりばかり言ってはいても、本当はとても寂しがりやの坊や。そんな坊やが哀れに思え、真っ赤なポルシェをかっ飛ばし、隣の車のミラーを擦りながら、プレイバックしていく、赤いドレスの百恵。実にかっこよかった。
 女は時代と共に進化したが、三十年前から変わらない男の情けない姿を、図らずも『しあわせ芝居』で思い知ったのである。

一月十四日
 ところで。
 青森市内で発行されている、お洒落なフリーペーパー「Nozacc」。この発行会社は、CM「きっと結婚したくなる」で有名な「イマジンウエディング」の系列である。
 私がこのCMに激怒したのは去年の三月号。その激怒エッセイをイマジンウエディング社長が読んで下さったのが縁で、「Nozacc」にコラム連載を頂いたのだから、世の中、何が幸いするかわからない。
 さらにその激怒がきっかけで、RAB「サタデー夢ラジオ」にも時々出していただくことに…。本当に世の中わからないものだ。
 そして去年八月「Nozacc」連載が始まって、私はやたらと人に指摘されるようになった。
「ひょっとして妹子さんですよね。びっくりしました。読みましたよ」
 などと多い日は二回も言われるのである。
 本当に凄い。私はこの十八年、グラフ青森に「Pink Tea Time」を連載させて頂いたわけだが、「読みました」などと言われるのは、年に一度あるかないかであった。
 しかも、「読んだ」という人の全てが、「銀行か郵便局で偶然」という偶発的事件であったから、なんとか買って読んで欲しいと、十八年間、心中で懇願し続けてきたのだ。
 そして先日、事件があった。私が「Pink Tea Time」の連載をまとめた単行本『桃色茶時間』が発売されたのは二〇〇一年。一部の熱狂的なファンに、第二集出版を切望される幻の名著であるが、売れなかったことだけは多分確かであろう。
 ところが先日、私のブログに以下の書き込みがあったのである。

「Nozaccのコラムがとてもおもしろく本(『桃色茶時間』)を買いました。期待に違わず大いに笑わさせてもらいました。妹子さんのエッセイはおかしいだけでなく、三島論、映画評など知性も光ります。青森にこういう才気あふれる女性がいることを嬉しく思いました。2冊目が全国区で発売されるのを楽しみにしています」
 
 今年は良いことがありそうな予感がムクムクと沸き上がっている。手始めに、去年飛行機が遅れて出られなかった「四〇代以上対象 出会いパーティー」に出るしかなかろう。
 ふっふっふ。待ってろよ! 神父!

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