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Pink Tea Time 1998年8月号

ここまで食べました
           「ここまで異物を食べました」


「理由は、無口だから」の巻

7月26日(日)
 「伊良部人形」がアメリカで売り出されたそうだ。9ドル。信じられない。
 あんなふてぶてしい「もみあげゴリラ男」の人形を買って、一体何をしろというのか?しかも顔は下膨れなのに、9ドルだ。アメリカ人の感覚が本当にわからない。
 もし「野茂人形」だったら、話は違うね。野茂だったら、いろんなポーズの人形があっていいと思う。
 「トルネード・ポーズの野茂人形」はもちろん、「セットアップ・ポーズの野茂」、「フォアボールを出しちゃった野茂」「送りバントを決める野茂」、そして「内マタで走る野茂」など、どんな場面でも人形にキマるスター性を、野茂は持っている。
 とはいえ、私は野茂が登板する試合は、絶対に見ないのである。
 嫌いだからでなく、野茂を他人とは思えないほど愛しちゃってるので、「また負けるか、打たれるか」と思うと、とてもじゃないが、見てられないのだ。
 だから野茂が先発する日は、朝からムチャクチャ気分が悪い。そして試合が始まる時間になると逃げるように家を出て、決してテレビには近づかないようにする。さらに家に帰っても「野茂」のことには絶対触れないという徹底ぶりなのだ。
 長野オリンピックで原田が飛んだ時、原田のお母さんは目をつぶっていたが、まさにああいう心境だろう。でも、野茂の試合は一応、録画しているから、勝った時だけビール飲みながら見るんだけど。
 これがヤンキーズの伊良部となると、話はまたまた違うね。あの「もみあげゴリラ男」が打たれようが殴られようが、私にはどうでもいいことだ。伊良部が防御率?1だった時は、実に不愉快であった。
「打て! ベコベコに打ってしまえ!」
 とテレビの前で相手チームの応援さえしてしまうのである。嫌いな男の試合は、実に冷静に見られるのだ。
 よくウィンブルドン中継なんかで、選手の奥さんや恋人が観戦しているのを見るが、心臓に毛が生えているとしか思えない。勝った時はいいが、負けたらどうやってフォローするのか?
 とりあえずは、
「野茂が夫でなくてよかった」
 と、しみじみ感謝する今日この頃である。

7月27日(月)
伊良部と比べて、野茂が素晴らしい点を、せっかくだから挙げてみよう。

 ?ガムを、くちゃくちゃ噛まない。
 ?唾も、ぺっぺと吐かない。
 ?勝っても負けても、同じ顔である。
 ?背筋が、ピンと延びている。
 ?太めだが、伊良部よりは痩せている。
 ?真面目に、バッターをやっている。
 ?走ると内股である。

 ざっとこんなところだろうか。これは全ての野茂ファンが同意するところだろう。
 これも野茂マニアの梅子お姉様に伺うと、「もち肌のところが素敵。お肌がツルツルしている」
 と、野茂の長所を指摘する。
「それから、笑わないところ」
「ボキャブラリーの貧困さにもグッとくる」 など、野球選手でなくてもいいような魅力を次々と並べ立てるのだ。
 まあそれはそれとして、昨日、伊良部が4敗目(9勝)を喫したというので、私の気分は今、日本晴れだ。しかも先週、野茂は久々に二連勝し、ヒットも二本打っちゃったというから、本当に素晴らしい。やはり「正義は勝つ!」という感想を、率直に述べさせていただきたい。(ちなみに現在4勝8敗)。
 しかも試合後のインタビューが泣けたね。泣けました。
 ほぼ三ヵ月ぶりの連勝を聞かれて、
「僕が勝ったことでなく、チームが勝ったことが嬉しかったッす」
 と、勝ったのか負けたのか分からない顔で語っていた野茂・・・。しかも、ニューヨークで大阪弁だ。その素朴さに心打たれ、こうして原稿を書く私の目にも、涙がチョチョぎれてくる。
 これがもし伊良部だったら、絶対こうは言わない。ほぼ三ヵ月ぶりなんて言われたら、しばらく、
「・・・・・・」
 と黙ったあと、
「じゃあ、このへんで終わります」
 と言って、帰るに決まっている。どうしたらこのように憎々しくできるのだろうか。
 しかし、私はふと気がついた。この憎々しくふてぶてしい伊良部がいるからこそ、野茂の爽やかさ、美しさが際立つのではないか。そう考えると、伊良部は「必要悪」とも思えてくる。
 ヤンキース伊良部。野茂の人気を支えるため、いつまでも影で、ふてぶてしくあってほしいと願う今日この頃だ。

7月28日(火)
 実は私、大変スポーツに疎い人間であるが、野茂は勿論、テニスのサンプラスも大好きである。理由は、無口だから。
 何があっても黙って仕事をこなす。しかも確実に。そういうところが「職人芸」「技あり! ニッポン」「ゴルゴ13」という感じで、実にカッコいいではありませんか。
 野茂とサンプラスは、ほとんど無駄な話はしないから、絶対に「携帯電話」は持っていないと思う。万が一持ってても、決して電話に出ない。これは確信できる。
 もしかしたら、家にある電話も使っておらず、毎月基本料金だけではないか? そんなことまで想像させる「ストイックさ」にシビレますね。
 その点、伊良部は赤いポルシェを一五〇キロで飛ばしながら、携帯で二時間はしゃべりそうだ。マクドナルドに入り、ビッグマックを7個は食うだろうなど、次々に放埒な姿が浮かんでくる。
 あまりに分かりやすい性格の、伊良部。しばらくは、「伊良部人形」の売れ行きを注目しようではないか。
 ところで「サンプラス人形」は無いの?
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