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「仏の妹子」も三度怒るの巻

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昨日は「Dog Garden」のクリスマス会で踊った由紀夫。大活躍です。




Pink Tea Time 2009年11・12月号

「仏の妹子」も三度怒るの巻

十一月七日
 先日、RAB「サタデー夢ラジオ」に出して頂く機会があった。理由は、
「大野妹子に悪口を書かせたら日本一だから、そのコツを話してほしい」
というもの。褒められて悪い気はしないが、私は人の悪口など一度も書いたことがない。なのに一体どういうことか。理不尽とは思ったが、ラジオには出てみたかったので、とりあえず適当なおしゃべりで、お茶を濁しておいたのである。
 さて、それとは全く関係ないが、先日、久々に激怒したことがあった。「仏の妹子」と呼ばれるほど穏やかな性格の私が激怒するなど、滅多にないことなので、ここに人生の記念として書き留めておこうと思うのである。

十一月八日
 先日、仕事で山形に行った。以前から行きたいとは思っていたが、なぜか同じ東北にあって、山形に行く機会に恵まれなかった。
本当にどうしたことか。
山形には確か十数年前に一度、天童に行ったきりである。秋田や山形という日本海側の東北は、韓国のソウルより遥かに遠い感じがする。実際、青森~ソウル間はたった2時間55分だから、JRだと新幹線から快速乗り継ぎで五時間近くかかる山形より、ずっと近いという理屈になるのだ。
さて、なぜ私は山形行きを心待ちにしていたのか。それは山形の「芋煮」というものを、一度は食ってみたいと思っていたからである。
読者の皆さんは、私の元担当編集者:大正なでし子女史を覚えていらっしゃるだろうか。天然ボケ発言で有名な大正女史は、度々小欄に登場し、我々に笑いと生きる勇気を与えてくれた。
例えば、飲み会に遅れてきた彼女の一言。
「すみません、妹子さん。ウチミに不幸がありまして(正しくは『身内(みうち)』)」
 また、スポーツ会館の柔道稽古場で、くるりと前方に一回転し、立ち上がった私に一言。
「まあ、妹子さんって、ウチミがとっても上手いんですね(正しくは『受身(うけみ)』)」
 そして、つい先日会った時も、
「そんなことにいちいち目頭を立てても始まりませんよ(正しくは『目くじらを立てる』)」
「その話には、すごく興味があったので、私、耳をタコにして聞いていたんです(正しくは、『耳をダンボにして聞く』)」
などという発言を連発し、今も変わらぬ「オトボケ力」を発揮してくれたばかりであった。
まあ、それはそれとして…。
その大正女史は、山形は庄内の出身である。そして私に度々庄内地方の大自然の素晴らしさを語ってくれたのだった。特に彼女が熱く語ったのは山形名物の食べ物であり、その中に「芋煮」があった。
「山形県民は川原に集合し、大鍋で芋煮会をやるんです。芋煮なしで山形は語れません!」
「芋煮? 県民が川原に集合?」
 それが一体どんな食べ物なのか、また芋煮の「イモ」は「何イモ」なのか、私には全く見当がつかなかった。
 しかしその後、朝のNHKニュースで、
「日本一の芋煮会フェスティバル!」
「大鍋による三万食の芋煮会が山形で!」
などという話題を見聞きするに至り、雄大な芋煮会のイメージが、私の心に膨らんでいった。そしてなぜか、三万人が集う芋煮会の片隅で、海坂藩の「たそがれ清兵衛」が、家族と芋煮を食う姿を想像したりして、私も「一度は庄内で芋煮を…」と、思うようになったのである。

11月9日
 さて出張の日。
JR山形駅に到着し、夕食時、駅周辺で芋煮が食べられる店を、連れと二人で探した。店を選んで歩くこと三十分以上。そのうち一軒の店に狙いを定め、ついに念願の芋煮を注文したのである。結構歩いたので、額には汗。そして私の鼻穴は、幅1~1.5㎝くらいの収縮運動を繰り返していたと思う。
「芋煮、一人前!」
 すると店員は、思いも寄らないことを言った。芋煮は品切れだという。
疲れと落胆で激怒した私は叫んだ。
「だって、あそこに『芋煮』と張り紙があるじゃありませんか!」
「今日はランチで品切れになりました」
「くッ…(やはり芋煮は大人気なのかッ)」
 一人なら店を変えだだろうが、連れは特に芋煮が食いたいわけではなかった。私の夢のためだけに、他人をもう一度歩かせるのもどうかと思い、私は悔し涙に暮れながら、
「じゃ、豚汁定食」
 と、素直に注文しなおしたが、これが激怒その①である。翌日、さらなる激怒が待ちかまえていようとは、この時の私は知るよしもなかったのだ…。
 
十一月十日
 さて、出張先の高層ビルは山形県所有の物件らしく、一階には山形県の紹介コーナーや県関係の事務所、庶民がくつろげる椅子、広場などがあった。全国どこでも代わり映えしない、所謂「箱物」である。
広場には直径2~3mほどの巨大な芋煮鍋の模型があり、鍋の中は4,5人が対面して座れる椅子になっている。それを見て、「これほどの山形名物なら、ランチで切らすなッ!」と苦々しく思ったのは言うまでもない。
さて、会議の合間の休憩時間。一階の広場で「本日の催事」という掲示板に「一時~ フリーマーケット」という一行を見つけた。
フリマなら興味がある。しかし、もう十二時半なのに、フリマが開催されそうな気配は皆無なのであった。
「出店準備に最低一時間はかかるはず…」
疑問に思い、周囲を見回した。すると掲示板付近の「案内ボランティア」と書かれた机に、一人の老人が占い師のように着席していたので、私は聞いたのである。
「一時からフリマがあるんですよね」
すると、その色黒で白髪の老人が眉間に皺を寄せて一言。
「さあ~、聞いてないなぁ」
「…」
 これが即ち激怒その②である。「本日の催事」を知らないで、貴方は本当に案内人ですかということである。実は置物だったのですかということである。
私は激怒しながら前述の芋煮模型を素通りし、コンビニへ…。激怒を静めようと野菜ジュースを購入し、広場付近のベンチでちゅーちゅーと吸い込んでいた。
すると、目の前の事務所から出てきたネクタイ姿の男が、私にこう注意するではないか。
「すみません、ここは飲食禁止場所です」
「あ、失礼しました。では、どこなら飲食出来るんですか?」
「さあ~、わかりません」
「…」
 これが即ち激怒その③である。それで貴方は注意出来るんですか?ということである。
 この激怒三連発。仏の妹子が激怒することは本当に珍しいので、ここに書き留めておく次第である。
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