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「きっと婚活したくなる」イマジン接待模様の巻

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活躍する「モデル犬」、由紀夫。


Pink Tea Time 2009年 6月号

「きっと婚活したくなる」イマジン接待模様の巻

六月一二日
「きっと、結婚したくなる」
 というラジオのCMが無性に腹立たしい、皆、既に結婚したくなってはいるが、それでも結婚出来ないんだよっという内容の、激怒のエッセイを三月に書いたら、そこの会社「イマジン」の会長から電話がかかってきた。是非私と食事がしたいのだと言う。
 これは一体どうしたことかと、私はイマジンしてみた。
はは~ん…。つまりこれは、
「きっと、毒殺したくなる」
 ということで、私に一服盛るつもりやもしれぬのう、などと戦国武将のように警戒しつつ、懐に隠し剣を忍ばせ(うそ)、新町のレストラン「わいん倶楽部」へと向かった。
 すると正面玄関では、礼儀正しいイケメン青年が緊張した面もちで直立不動の姿勢。虎視眈々と私を待ちかまえていたではないか。このイケメンに殺されるなら、わらわは本望じゃという考えが、一瞬私の頭を過ぎったのは確かである。そろそろ婚活に疲れ、どうせわらわなど、ううっ…、と弱気になっていたせいかもしれない。
 しかし、毒殺はされなかった。
最近、新装開店した「わいん倶楽部」で私を歓待してくれたのは、大層愉快で懐の深いイマジンの会長とそのご子息(正面玄関のイケメン)を始め、総勢七名の社員だった。次々と旨い酒食を饗し、全員が合コンよろしく席替えをして、順繰りに私を接待してくれたのである。このような歓迎を受けたのは生まれて初めてであった。
 このわいん倶楽部、イマジンの関連会社だそうで、メニューは社員が案を出し合い、試食・検討して決めるという。ここには私も何度か来ており、お洒落で美味しいレストランだという認識は持っていたが、「きっと、結婚したくなる」の関連会社とは全く知らなかった。
次々と注がれる美酒のせいか、私は大変良い気分になり、件のCMも、
「結構、よく出来たコピーかも~」
 などと思ってしまったほど。私は大変、接待に弱い人間だったということが判明した。

 六月十三日
 しかし、である。
 そんな気分もつかの間。やはりこのCMには決定的な問題があることに気づいたのだ。
 それは宴もたけなわ、この「イマジン」社員七名の既婚率を確認したときであった。
七名のうち三名が男性で、四名が女性であった。そして、愉快な会長とそのご子息を筆頭に、男性は三人とも既婚者なのに、女性四人はなんと尽く独身だと言うではないか! 
一体どうしたことか。彼女らは皆、妙齢の美女であった。しかも明るく前向きで、仕事もバリバリ出来る印象。一人は二十代だったが、三名は「アラフォー」だそうで、皆「今は仕事が面白くて…」と言っていたが、間違いなく負け惜しみだろう。結婚願望はあると言っていたからね。
なんということであろうか。私はここでも遭遇した過酷な現実に、鼻穴を広げて激怒した。口に入れたパスタが、鼻から出そうになったほどである。
つまり、この「イマジン」という会社社員の既婚率のデータを、今すぐ出せっ!ということである。そして、キミたちは「きっと、結婚したくなる」など、暢気に言っている場合カネということである。だったら自分が結婚してから言ってみろッ!ということである。
 帰り際。
 階段を降りる前、私はレストランに併設されているチャペルに気付いた。幸せいっぱいの二人はここで結婚式を挙げ、隣のレストランで披露宴という段取りである。
私は心に誓った。
「きっと、ここに帰ってきてやるぜ! 待ってろよ、神父!」
 …果たしてそれはいつのことになるのか。いや、実現そのものが疑われるが…。
その答は誰も知らない。

六月十四日
さて先日、レストラン旬洋亭で。
「結婚なんか、もうしなくていいのよ!」と、鮮魚のパイ包み(雲丹ソース)に舌鼓を打ちながら仰るのは松子様である。松子様の結婚に関する持論は、
「男は皆同じだから、財布の厚みで選べ」
というものだ。蓋し名言である。また、
「人口の半分は女なのに、国会議員の半分を女にするという法律が、なぜないんだッ!」
 というのも松子様の持論。本当に素晴らしい。これに関しては、今の青森市長の鹿内氏が、「ナントカ委員の半分を女性にする」と言っているそうだから、直、青森市議会においては実現するかもしれない。そして是非、私も委員の一人に加えて欲しい。即座に「議員半分女性法」を市議会に提出したいと思う。もしこれが実現すれば、青森市が全世界の注目を集めること間違いなしだ。
ところで、「男は皆同じ」という論は、男の性情や行動だけに止まらず、容貌にも当てはまると松子様は仰る。
「試しに結婚式に行ってごらん。四〇代以上の男は、誰が誰だか区別が付かないよ。女は髪型や服で区別が付くじゃないか」
「なるほど。その通りでございますねぇ」
「だから、あんたの相手は由紀夫でいいわけ。結婚なんてばかばかしい。必要な時に男を雇えばいいのよ」
「う、確かに…」
 実は二ヶ月前のこと。
 弘前城の夜桜を、私がたった一人で見に行ったことがあった。そのとき私は、岩木山麓の「いわき荘」に一人で泊まっていた。宿から無料のシャトルバスが出るので、せっかくだからと出掛けたのである。
 そう電話で報告すると、お母様。
「何やってるんだ、妹子。お金で雇ってもいいから、男と行けばよかったじゃないか」
 …本当に瓜二つの親子だったのである。
 このことを松子様に話すと、全くその通りと共感し、こう仰った。
「夫と一緒に行くのは嫌だから、旅行や食事をするときに、エスコート役を雇いたいって本当に思うわ」
「全くです。私は方向音痴だし、ご飯も一人じゃつまらないし…。あ、そうだ!」
デザートの紅茶チーズケーキをパクつきながら深く頷き、私は続けた。
「いっそ職業安定所に『夫募集』の求人票を出したらいいんじゃない?」
金を払うなら仕事だし…と思ったわけだが、すかさず松子様が否定する。
「違う違う! 『夫』募集じゃなくて、『夫役』募集でないと意味がないのよ。だって、男は『夫』の義務を果たさなくても『夫』でいるのが現実だけど、『夫役』だと『役』の義務を果たすことが任務になるでしょ」
「うーむ、さすがです…」
 本当に、頼りになる姉である。
そして、私が近々「四〇代以上対象 出会いパーティ」に行くと言うと、松子様。
「女ばかりで、男が一人ならどうなるの? 椅子取りゲーム?」
 確かに私の周囲の独身は女ばかり。一抹の不安が頭を過ぎった晩春の一夜だった。
 
 
 
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