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全日本ハゲ擁護連盟の巻

待合室
大晦日。動物病院の待合室で落ち着きのない由紀夫。



Pink Tea Time 2002年 2月号

全日本ハゲ擁護連盟の巻

一月十日
 イチローが嫌いである。
 何が嫌いって、嫌いなものに理由などいらない。とにかく大嫌いだ。
 とは言え、私が大嫌いなものの一つに「納豆」があるが、納豆には嫌いな理由がちゃんとあったよな。勿論、爆発的なニオイである。
「たった今、革靴を脱いだばっかり」
 といった状況のオヤジの足から発せられるようなウルトラ刺激臭。あれは殺人的だ。
 このように、納豆と並んでイチローがいるのであるが、前者には嫌いな理由があって、後者にはない。
 ということは、万一納豆のニオイが、ある日「青きパパイヤの香り」に品種改良されたとしたら、私は納豆大好き人間になるだろうということだ。健康にもいいし。
 しかし、イチローを好きになる可能性は、何があってもないのである。チチローにはあったとしても、イチローにはない。なんたって「理由無き嫌悪」なんだから。
 
一月十一日
 それでも強いて理由を挙げろと言うのなら、まずあの「キザ男」ぶりを挙げねばなるまい。
 例えば、スポーツニュースが流れる。
バッターボックスに、キュキュキュッと内股で立ったイチローが、バットを二三度振り回す。ふぅッと息を吐くイチロー・・・。今度は顔面も左右に二三度振り、投手の方向を、半眼流し目で見据えるイチロー。
「ちッ! ・・・ったく、カッコつけやがって。お前は長谷川一夫かッ」
 というのが、私のいつもの感想だ。
 また例えば、ザザーッと盗塁を決めた時のイチロー。塁に付けた片足と地面の角度が、妙にキマっている。きっと自分の足が最も美しく見える角度を、日々研究しているに違いない。
 また例えば、野茂からデッドボールを喰らった時のイチロー。「ううーッ!」という叫び声と、ハラハラ~という劇的な倒れ方は、ひょっとしてデッドボールの受け方まで家で練習してたのか? と思わせた完璧なリアクションだった。あり得なくはない。だってイチローだから。
同じキザでも新庄剛志のキザは実力的根拠がないから許せるが、イチローは毎日技を決めまくる故、「真のキザ野郎」なのである。

一月十二日
 嫌いな理由の二つ目であり、実はこれこそ最も許し難いことなのだが、それはイチローの帽子の被り方である。
 全く驚きだ。もう立派な大人で、五つも年上の女房までいるのに、なぜ野球帽を後ろ前に被っているのか? あの、ベビーフェイスのタイガー・ウッズだって普通に被っている。
 しかもイチローは、帽子を後ろ前に被り、なおかつサングラスをしている。一体何のための帽子なのか? お日様が眩しいなら、帽子の鍔(つば)を後ろにするなと私は言いたい。
 そんなこんなで、私にとっての宿敵イチロー。来年こそは野茂に敵を取ってもらいたいものだ。待ってろよッ、イチロー!

一月十三日
 さて先日「広報あおもり」に、「友好都市からメッセージ」の見出しで、ハンガリー共和国・ケチケメート市長の挨拶が載っていた。
 私はハッとした。
 ケチケメート市。捨て置けぬ名前である。
 私は即座に夫に聞いていた。実のところ、あなたはケチケメート市出身ではあるまいね? と。
 夫は何でそんなこと? とシラを切っていたが、実に怪しい。続けて捜査に取り組む構えの今日この頃である。

一月十四日
 ところで私が「全日本もも引き普及委員会」委員長を自認していることはご存じの通り(拙著『桃色茶時間参照』)。
 東京都は「ホテル税」を導入するらしいが、青森県は「もも引き不着用税」を制定し、真冬にナマ足で歩くバカモノなどから、バックバックと税金をとって欲しいと思う。
 それに対抗するわけではないが、「全日本ハゲ養護連盟」を結成する勢いの人物が、ついに登場した。何を隠そう、旅のライター・河原崎理佳さんである。
 今、理佳さんが惚れ込んでいるハゲは、『Xファイル』のスキナー副長官という、私の知らない人物。で、一体そのハゲのどこがいいのか尋ねたところ、
「すごーくイイ男のくせに、ものの見事にハゲてるところがたまらないのよ! 頭の形がよくてツヤツヤしている点もポイントかな」
 と両手を胸の前で堅く組み合わせ、瞳を輝かせて言うのである。
「私はね、ハゲを隠そうとする男が大嫌いなの。男達よ! もっと堂々とハゲろ! 陰でコソコソハゲてるんじゃない! と声を大にして言いたい!」

一月十五日
 彼女がハゲに目覚めたのはかなり前に遡る。大好きだったショーン・コネリーを、久々に映画『風とライオン』で見た時だったそうだ。
「007であんなにカッコよかったのに、いきなりハゲていてびっくりした」
 それを言わせれば、カツラ鑑定の達人・私のお母様を忘れてはならない。お母様は一目で「ズラか本物か」を鑑定できることで有名だが、お母様によると、
「あの男はねぇ。一本目の007から、ズラだったんだよ」
 だそうである。念のため。
 C・コネリーの「いきなり、ハゲ」に衝撃を受けた理佳さんだったが、そのうち彼のハゲっぷりを「男らしい潔さ」と感じるまで、さして時間はかからなかった。本当の自分をさらけ出し、真っ向勝負に出る態度に感動したのである。
 その後、仏教系の大学に入った理佳さんは、ますますハゲの造詣を深めた。仏教だけに同級生には寺の息子が多く、いろいろなパターンのハゲを見たそうである。
 そして刑事コジャック、草刈正雄、ジャン・レノなど「立派なハゲの男たち」を次々発見する(私は知らなかったが、草刈正雄は一時、ヅラ無しでテレビに出ていたそうだ)。 

一月十六日
 そんな理佳さんだけに、ハゲをひた隠しにする「バーコードヘア」が大嫌いだ。
 例えば、軍事評論家の某氏。頭の約九割がハゲなのに、残り一割の髪で九割のハゲをカバーしようとする所に無理があると言う。
「雨が降ったらバーコードもワカメ状態よ! それとも雨だとは外出しないの?」
 と、理佳さんはその不自然さを批判する。
「堂々としたハゲは男の勲章です。男性ホルモンが多いって事だから」
 とまで言い切るハゲ・マニア理佳さん。是非、毎年「ベストハゲ大賞」ランキングを出す等の意欲的な活動をしてほしい。強く期待する私である。


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