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股引メモリアル事業の巻

オニュウ
おとなしいのは一瞬だけ、の由紀夫。


Pink Tea Time 2008年10月号

股引メモリアル事業の巻

十月十一日
その後、毎日モーツァルトを聴かせてみたが、由紀夫は一向に変わらなかった。
「フルート協奏曲第1番ト長調」を聴かせても、由紀夫は毎日うるさい。曲に合わせて、餌をよこせ!と唸りながら百回転くらいするものだから、次は「フルート協奏曲第2番ニ長調」にしてみた。しかし効果はなかった。
 ひょっとしてフルート単体では駄目なのかもしれないと思い、次はオーケストラによる「交響曲第38番ニ長調『プラハ』」にしてみた。が、やはり駄目であった。
 なら、モーツァルト以外を聴かせてみようと思い直し、次は『ベストクラシック 101』という六枚組のCDを取り出してみた。これはオムニバス盤で、色々な作曲家の代表作が収められているものである。試しに一枚目を聴かせると、それはリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトストラはかく語りき」序奏であり、由紀夫はますます元気になって、ブルブルとおもちゃを振り回していた。
 そういえばこの曲は映画『2001年宇宙の旅』の挿入曲であるが、由紀夫も宇宙服を着て、永遠に宇宙に旅立って欲しいと私は思ったのである。
 いろいろ由紀夫に試しているうちに、CDプレーヤーが壊れた。聴かせても聴かせても、特に由紀夫の行動に変化はなく、変化したのはCDプレーヤーだったということである。電気屋に修理を頼んだら、「もう二十年前の機種なので修理不能ですね」と言われた。
 全く何ということであろう。由紀夫を静かにしようと思ってやったことなのに、逆にCDプレーヤーを永遠に静かにしてしまったとは…。
 恐るべし、由紀夫のパワー。このパワーを上手くエコ発電に利用できないかと思う今日この頃である。

十月十二日
 ところで、小欄を読んでくれている友達から、
「由紀夫のことを知らない人が読んだら、誤解するんじゃないか。月によっては、由紀夫が犬だと一言も書いてないことがある」
 とのご指摘を受けた。
 なるほど。
 今回初めて、小欄を読まれた方は、「百回転」するという描写から、ひょっとして由紀夫を「トンビ」だと思われたかもしれない。念のためお断りしておくと、由紀夫はパグ犬(オス・もうすぐ四歳)である。悪しからず。

十月十三日
 ところで、股引(ももひき)の季節である。
 股引に関して最近、実に感動する出来事があったので、私はここに「股引メモリアル事業」として、是非書き留めておきたいと思う。それは、友人Tさんのことだ。
 このTさんは、ちょうど一年前の小欄で、エロビデオ屋店長の「今月のお薦め作品」、『パイレーツ・オブ・レズビアン』を見て、「カネ返せ!」と激怒していた人物である。私に言わせれば、そんなもの信用する方がどうかしていると言わざるを得ない。
 それはさておき、そのTさんがなんと、股引を愛用し始めたと言う。これは感動的だ。
 だってTさんはまだ大変に若い。しかも趣味でパンクロッッカーもしている男性であり、ファッションセンスも型破り。確かちょっと前には、
「え、股引? まさかそれは、ちょっと…」
 と発言していたと記憶している。
 そのTさんが、「ももひきは木綿のキャメルに限る」と言い出したから凄い。以下「ももひき考」と題したTさんのコメントを。
「ももひきは木綿のキャメルに限る! キャメルはいい。ズボンの裾がまくれても、地肌に見えるし、視覚的に温かさを感じる。ももひきを履くと冬の便りを感じ、脱ぐと春の訪れを感じる。冬、新春、春の季語にもなる、実に趣のある素材だ。
 英語ではlongjohns。のっぽのジョン? なんとお洒落な響き…。」
 素晴らしい。
この感動的なまでの股引礼賛文は、是非小学校の教科書に載せて、エコロジー教育に役立てて欲しいと思うほどだ。
確かに、「ズボンの裾がまくれても、地肌に見える」と言いながらも、「視覚的に温かさを感じる」時点で、「もう股引だとバレバレじゃないかっ!」という突っ込みはあるが、そんなことは些細なことである。
一旦着用すれば驚異的に暖かく、人間の行動範囲を飛躍的に広げてくれる、股引。暖房費を圧倒的に節約でき、CO2排出量削減にも貢献する、股引。あなたの人生を変え、地球環境をも変えるであろう、股引。
そんな優れものなのに、なぜか多くの人々に敬遠される股引を、ひとりのパンクな若者が、これほどまでにプラス思考で描写したことに意義を感じるのである。
ただ今の時期、日中は暖かくなることがある。Tさんは、朝、股引を穿いていき、日中はこっそりトイレで脱ぎ、残業中はまた穿くのだという。そして、人間に合わせて室温を変えるのではなく、室温に合わせて人間が人間をコントロールすることにも、Tさんは大きな意義を感じているという。
ただ一つだけ、気になることが。
Tさんが言うには、ゴム部分が伸びたり、裾がよれたりして、股引は二シーズンしか持たないとのこと。
おかしい。
私は現在、ワコールの薄手の股引(木綿40%)を十五年愛用しているし、グンゼの厚手の股引(木綿89%・日本製)も、既に十年近く使っている。前者は薄手のため、さすがに古びてきたが、後者はまだ新品に比べても遜色なく、あと十年は軽いだろう。
その他、ユニクロ(中国製)とダマール(イギリス製)なども入れて数枚持っているが、最近買ったユニクロ以外は、どれも使用期間が長い。二年で雑巾ゆきという製品は、一枚もないのである。
このうち、ダマール一枚は素材がポリ塩化ビニル85%、アクリル15%と化学繊維だけであるせいか、毛玉もできやすく、くたびれるのも早かった。これ一枚は買って後悔した股引だが、あとは全く優良。立派なエコロジー商品である。

十月十四日
私は、いつも思う。キムタクに股引を穿かせ、朝の渋谷を疾走するような、大胆な股引キャンペーンをして欲しいと。
それでも去年、松田龍平が股引を宣伝していた。ユニクロのヒートテックインナーのCMである。松田が駅員で、雪降るホームに立つという設定。CMセンスも良く、私の周囲では話題になっていたよな。
しかし、まだまだ地味。ジャニーズ事務所のタレント全員に股引を穿かせるとか、宝ジェンヌに股引姿で歌って踊ってうとか、強烈なインパクトが必要なのである。
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