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「ちょっと! この男、誰だっけ?」の巻

回転中
寝る前に回転している由紀夫。
寝る前も、餌を食べる前も、散歩に行く前も、常に回転する男。




注:なぜかこの号の記事を飛ばしていました。順番が狂ってしまいましたが、悪しからずご了承下さい。


Pink Tea Time 2000年8月号

「ちょっと! この男、誰だっけ?」の巻

7月20日(木)
 巨人はなぜか単独首位を独走中。「巨人のおバカ」清原も、何の奇跡か絶好調で、日本のテナントレ-スは大賑わいだ。
 私は巨人ファンではないが、上司が大ファンで、連日本当にうるさい。いないと思うと、休憩室で巨人戦を見たりしている。この間は休憩室から帰ってきた人から、「13対3。巨人優勢」というメモを貰っていたよな。貰うはいいが、それを皆に報告するなっちゅーの。
 いやいや、そんなことはどうでもいいのである。問題はデトロイト・タイガースの野茂英雄だ。
 私が超野茂フリークなのは御存知のとおり。だというのに、今年は一向に衛生中継を見ることができないのだッ!
 「見ることが出来ない」と言うのも語弊があるかもしれない。見ようと思えば、いつでも見られるのだ。全部、録画してるから。
 私は、これまた御存知の通り、野茂の先発試合を決して「生放送」で見ない。野茂を他人とは思えないくらい愛しちゃっているので、いつ打たれるかと気が気でなく、見ていられないのだ。で、野茂が先発の日はビデオをセットし、逃げるように家を出る。家にいたら、テレビを見たくなる気持を抑えられなくなるからね。
 だから夏は大変だ。本屋に行ったり、銀行に行ったり、用もないのに早めに出勤したりして、日が当たらないよう当たらないよう、行き先を考えねばならない。
 私は「日焼けはシワの素」ということで、滅多なことでは外に出ない「深窓の令嬢」である。のっぴきならぬ事情で外出する時は、日傘・帽子・白手袋・サングラスと、UV対策万全スタイルででかけるほどだ。炎天下、無闇に家を出なくてはならない令嬢の身にもなってもらいたい。
 そして、インターネットで勝敗を確認し、勝った時だけ家でビデオを見る。おかげで今年は、まだ3回しか野茂を見れてないじゃないかッ。一体どうしたんだ、野茂ッ!
 これじゃあ勝ち試合を、ビデオで繰り返し見るしかないのか、野茂?

7月28日(金)
 巨人と言えば、上原浩治である。
 今は故障者リストに入ってるらしいが、一刻も早く復帰し、あの濃い眉毛と色黒の笑顔を見せてほしいものだ。
 と思っていたら、夕べは車で事故を起こしたというではないか。うーむ、野球は上手でも、運転は下手なのか?
 私は巨人ファンではないが、上原とは偶然同じ飛行機に乗ったことがある。そしてサインを貰い、握手までしてもらったので、とても他人とは思えぬ人物の一人になっているのである。

7月29日(土)
 あれは去年の暮れだった。
 夫と二人で鹿児島に行き、桜島や西郷どんの銅像、ついでに西郷どんが立てこもった洞穴というものを見た帰りの鹿児島空港で。
 赤外線探知機をくぐり、警備員から鞄を受け取ろうとしていた私に、夫が尋常でない血走った目で、なにやら強烈なサインを送っている。
「うッ、後ろを見ろ! 見るんだ、妹子!」
 とでも言いたげな目付きだ。
 夫のただならぬ気配に、私は振り返った。 するとそこには黒っぽいスーツの、無闇にデカイ男が立っている。スーツも黒かったが、顔色も黒かった。が、わりとイケてる顔である。眉毛が黒々と、密集して生え揃っており、凛々しい光線を放出しまくっている。
 どこかで見たことがあった。が、どうしても思い出せない。最近、何かを思い出すにも、以前より10倍は時間がかかる。そして時間をかけたとしても、必ずしも思い出すという保証はないのであった。
 で、私は瞬間的に、夫に聞いていた。
「ちょっと! ちょっと! この男、誰だっけ、誰だっけ?」
 その声はヒソヒソ声であったが、とても大きなヒソヒソ声であった。絶対、すぐ後ろにいた上原には聞こえたと思う。
それからが大変だった。
「ひぇーッ! あの20勝男? ちょっと、ちょっと! サインよ、サイン! ああッ、サインペンが無いッ! すぐ買ってきてッ!」
 ピュ~ン。
 実は、夫も相当なミーハーなのであった。 夫はサインペンを求めて、脱兎の如く走り去る。まあ、その早かったこと。私は初めて見た。ユニバースの特上寿司に、突如半額シールを貼るという店内放送があっても、これほど早く走れなかったろう。下半身がマンガのように、丸く回転していたからね。
 ピュ~ン。
 間もなく夫は脱兎の如く帰ってきた。そして眉間に皺を寄せ、思い詰めたように言うのである。
「ちょっと! どこにも売ってないよッ!どうする?」
 本当に気がきかない売店だ。空港と言えば有名人のメッカ。来るときの羽田では、黒づくめの黒柳徹子だって見たのである。が、サインが欲しくても、サインペンなんて通常、持ち歩くことはない。急に入り用になる「雨ガッパ」みたいな物なんだから、空港の売店に、売っていてもよさそうなものではないか。
 私は、グルリと売店を見回した。そして、レジ横の鉛筆立てに、鋏や鉛筆に混じって、サインペンが「ピッ!」と立っているのを見逃さなかったね。
「君もホント、図々しいよね」
 と夫は言っていた。しかし、自分だって鞄に上原のサインを貰ったのは、私が売店のねえちゃんに頼み込み、ペンを借りたからだ。 上原は本当に気さくなお兄さんだった。
 普通なら、特別室とかを使いそうなものだ。それが、一般の待合室に一人でいるところからして、既に気さくである。
 誰もがこの有名人を見逃すはずがなく、ひっきりなしにサインや写真を頼まれていた。売店のオネエサンも、次々来ていたよな。子連れのお母さんは、頼んで子供の頭を撫でてもらったりしていた。相撲取りじゃないんだっつうの。

7月30日(日)
 ところで、「ここにもヒロシがいる!」情報が、刻々と集まっている。
 知人A子ちゃんの職場にも、「ヒロシ」が一人いるという報告があった。仕事が出来なくて、いつも上司にきつく叱られるが、
「はい、はい」
 と素晴らしい返事をして、何もやらない人物がいるという。この返事ゆえ、彼は皆に「南部馬方節」と呼ばれていた。この民謡には「はい~~、はいッ!」という合いの手が入るからであろう。
「彼のことも、是非『全日本おバカ地図』に加えておいてね」
 とA子ちゃんは付け加えた。
 『全日本おバカ地図』、どこまで広がっていくのだろうか。
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