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げげッ、2?も太ってる!の巻

CIMG1774.jpg 痩せたパグも気持ち悪いから、太っていて正解かもしれない由紀夫。



Pink Tea Time 2000年9月号

げげッ、2?も太ってる!の巻

8月14日(月)
「ゲゲッ! 2キロも太ってるッ!」
 帝国ホテルの風呂から上がった私は、体重計の上でのけぞった。
 おかしい。たった3日間、油断していただけなのだ。絶対、この体重計は狂っているに違いない。しかし、いくら一人一泊一万円の激安ホテルプランだからって、天下の帝国ホテルの体重計が狂っていていいものか?
 すると夫、
「そりゃあ毎日、あれだけビール飲んでりゃ当たり前だろ」
 と、自分の太鼓腹を二度ほどポンポンと叩きながら言うのである。
 確かにビールはたらふく飲んだ。
 それは夕べのこと。
「帝国ホテルで一人一万円は安い、安い」
 など言いながら、目が飛び出そうなホテルのレストランをススッと通過し、一五〇円均一の新橋の回転寿司で、回る寿司を次々食らいつつ、一本三百円の缶ビールをグビグビと飲んだのであった。
 昼は昼で、大手町JAビルの「組合食堂」に行き、一膳80円のコシヒカリのご飯と70円の味噌汁、その他煮物や揚げ餃子、あえ物なんかもたらふく食べたよな。
 帰り道はコンビニで、
「あ、このプレミアムビール、隣の安いビールと値段がすりかわってるよね、きっと」
 と指摘しながら、しっかり間違いと思われる値段でプレミアムビールを買ってきたのであった。しかも2本。
 でもビールだけじゃあ太らない。太るのはオツマミを、たらふく食うからに決まっているではないか。あ、十分食ってるか。
 そして、続けて夫は言う。
「大丈夫、大丈夫。キミが太ったって、誰も気にしないよ」
 うるさいのである。そのセリフ、あんたにだけは言われたくないよと思うが、2キロも太ったとなると返す言葉もない。完敗だ。
 というのも、今回東京に来て、私はある重要なことに気付いていたからだ。
 それは、街行く人々が全く、誰一人として、太っていないという事実なのである。
 一体どうしたことだろうか。信じられないが、これは真実である。
 「誰一人として」というのは語弊があるかもしれない。しかし、年頃の若い男女で太っている人は皆無に近く、ターバンを巻いたインド人よりも人口が少ないと言っても過言でない。つまり、山田花子ほどのデブが、どこにもいないのである。
 あ、太っているなと思ったら、皆中年以上。そしてその中年太りも、捜索しなければ見つからないほど少ないのだ。

8月15日(火)
 これは一体どうしたことか。
 私だってそれほど太っているほうではない。ただ、典型的な下半身肥大型。服のサイズが上は「S」でも、下は「L」でないと入らないだけだ。パンツは3年ぐらい前、MからLに成長した。
 MからLへの過渡期 。
 最初は絶対、Mが入らないはずはないと思った。そして息を「ハッ!」と止めたり、お尻を「ウッ!」と緊張させたりして、無理やりMのパンツの装着を試みたのである。しかし、夢は叶わなかった。
 MとL 。「ム」と「ル」の一文字しか違わないというのに、このギャップは果てしなく深い。女としてのプライドが許さないとでも言おうか。
 しかし一旦諦め、プライドを捨てると、あとはガラガラと音をたてて崩れていくだけだった。何がって、体型がである。梅子様や松子は、もっと前から「ガラガラ」と音をたてていたよな。
 そして、雑誌に載ってるピチピチのストレッチパンツや、ククッと深いスリットの入ったタイトスカート等を見るにつけ、
「いったい誰が着るんだ? モデルだけか?」
 と、高をくくっていたのである。
 人口の少ない青森では、お洒落な人の絶対数は少ない。それに、そういう人が少ない職場環境にもある。太めの人も結構いる。
 それが今回東京で、じっくり観察して驚いた。よく見るとモデルのようなスタイルをした人々が、次から次と現れる。そして私は、ほとんどデブに分類されるのではないか?
という不安が、頭をよぎったのであった。

8月16日(水)
 まてよ、と私は思った。 
 歩いている人が細いからって、皆が皆細いとは限らない。太い人々は皆、こぞって家にいるのかもしれないではないか。家でせんべいを食いながら、ワイドショーを見ているのかもしれない。
 だって、これほど皆がモデルなのであるから、太い人は気が引けて街を歩けない。いわゆる「引きこもり」だ。
 すると運動量が減る。ますます太る。さらに「引きこもり」が進行するという悪循環現象が起こっているのかもしれない。
 まてまて、と更に思った。
 この東京という所は、やたらと人を歩かせるよな。駅の構内だけで、毎日一里は歩いていると思う。
 このあいだ新宿駅で、JRから地下鉄に乗り換えようとした時も、ひどい目にあったっけ。
 地下鉄新宿線の「新宿駅」が、歩いても歩いても無い。JRを降りたとこから、素直に矢印通りに歩いたし、キヨスクのオバサンにも5回くらい聞いた。
 4人目のオバサン「あっちですよ、あっち」
 私  「ホッ、ホントですかぁ?」
 てくてくてく・・・。
 5人目のオバサン「突き当たり、右ッ!」
 私  「もう15分も歩いてるんですけどぉ」
 同じオバサン  「右、右ッ!」
 私  「ウッ、ウソじゃないすよねッ」
 てくてくてく・・・。
 そして20分後。ついに地下鉄の駅に着いた時、そこは「新宿三丁目駅」。つまり、まる一駅、歩いていたのである。これほど歩かされれば、太っている暇はないであろう。
 それに今日、小田急美術館の「寺山修司展」に行ったのであるが、これが拷問だった。入ったが最後、出るまで二時間。つまり二時間も歩かされたのである。
 なんでこんなに展示物が多いんだ? たった八百円で。しかも椅子がないッ。
 寺山が好きな人なら楽しい二時間だろう。が、訳の分からない私には拷問だった。その前に、駅でも相当歩いているしね。
 そんなこんなで、東京の人は太っている暇などないのである。
 その上「健康のため、通勤時も一駅前で降りて歩きましょう」などと雑誌に書いてあるよな。そんなことまでしたら疲労困憊で、会社で仕事にならないんじゃないか。
 やっぱり東京の人はすごい。50m先のゴミ収集場所にも車で行く青森人は、たまには上京して体を鍛えたほうがいいかもしれない。(ただし、新橋の回転寿司と、JAの組合食堂には行かない方がいいかもしれない。)
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