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全てを「ついでにやっておく」男の巻

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 餌を食べる「ついでに」、100回転する男、由紀夫。




Pink Tea Time 2000年7月号

全てを「ついでにやっておく」男の巻

7月3日(月)
「うちの夫が、ものすごーく利口だったということが、最近わかってきた」
 とおっしゃる松子様。松子様の夫=三十郎氏も、相当なケチであるということが最近明らかになってきている。
 三十郎氏、51才。1月号の「お父様の葬式特集」で、大活躍した人物である。松子様の夫にして、不幸にもヒロシの父親。その多趣味ぶりで令名を轟かせ、スキー一級、葬式五段、腹は三段という大人物だ。
 ちなみにこの夫婦は共稼ぎ。松子様は小さな会社を経営しており、
「私は経済的、社会的、精神的に自立している」
 という名言を残す「鉄の女」である。
 それは去年の秋だった。
 松子様は二階の寝室に大きなストーブを付けることにした。
「ベットにゴロンゴロンと寝ながら、ぬくぬくとテレビが見たかった」
 のだそうである。すると一階の石油タンクから二階まで、配管を引き上げなくてはならない。費用は言い出しっぺ持ち。よって、この工事の手配も支払いも、全て松子様がしたのだと言う。
 配管工事は無事終わった。
 しばらくして、滅多に行かない一階の仏間に、何やら見慣れぬ管が二本「ニョキッ!」とあるのを、松子様は発見する。
「これ、なーに?」
 と、三十郎氏に聞くと、
「あ、これ? この間の工事の時、ついでに石油管を引いておいたよ。ここにもストーブがあると便利だろ?」
 松子様が払った領収書をよくよく見ると、一階部分の工事費も8万、上乗せされていたという。
 そして、先月。
 松子様は古い台所を最新のシステムキッチンに交換するという、大計画を実行した。床も張り替え、十人分の食器が洗える最新の食洗機まで設置したらしい。
「田村正和と紅茶が飲めるような、ダイニングキッチンが夢だった」
 と、松子様。三十郎氏は家事をしないから、当然、計画・見積もり・ローンその他一切を、またまた松子様が一人で担当した。
 台所工事は無事終わった。
 しばらくすると、台所の隅に、やはり何やら見慣れぬ管が「ニョキッ!」とあるのを、松子様は再び発見したと言う。
「これ、なーに?」
 と、三十郎氏に聞くと、
「あ、これ? この間の工事の時、ついでにパネルヒーターの配管もやっておいたよ。台所にはパネルヒーターがいいらしいね」
 松子様は、請求書をよくよく見たが、みんな一緒になっているので、どれがパネルヒーターの請求か、分からなかったとおっしゃっていた。

7月4日(火)
「すごい男でしょ、三十郎って」
 三十郎氏は多趣味で知られるが、最近はなんと園芸も始めたらしい。
 実は園芸は、昔から松子様の趣味でもあった。一見、人の面倒見がよいとは思えぬ松子様だが、昔から植物と動物にはキメ細やかな愛情を注ぐ人であった。毎日忘れず花に水をやり、金魚と犬に餌を与える。その情熱を知る梅子様は、
「次は、金魚を生んでね」
 と、いつも松子様が金魚に餌をやるたび、言うほどであった。
 さて、三十郎氏。最近はすっかり園芸に目覚め、家に生垣まで廻したという。
 しかし、費用は松子様持ち。何か欲しくなると、
「ねえお母さん(松子様のこと)、ついでにサルスベリなんか庭に植えたくない?」
 と、スリスリ擦り寄ってくるのだという。 本当にすごい。「葬式五段」の次は、「ついで三段」ぐらいではないかと、ひたすら感動する今日この頃である。
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