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Pink Tea Time 1998年7月号

環境ホルモンによるオス化ではないか?の巻

6月25日(木)
べつに隠していたワケではないが、私と夫はほとんど同じ声をしており、人には「一卵声夫婦」と呼ばれている。
 夫の声は男にしてはカン高い。私の声は女にしては野太く、ドスがきき過ぎている。電話だと実の親でも区別がつかず、しょっちゅう間違われているのだ。結婚前は、電話でお父様と間違われたけど、今度は夫とはね。
 実の親でも間違うのだから、他人で区別できる人は、まずない。電話を受けたら、
「さて、私はどっちでしょうか!」
 と、一発かましてから取り次ごうと思うが、夫にウエスタン・ラリアートを食らいそうなので、まだやってない。
 先日もこんなことがあった。グラフ青森の敏腕編集者F氏から、原稿催促の電話があったときのことである。
 編集F「もしもし。Fですけど」
 夫  「はい、どちらのFさんですか」
 編集F「フッフッ・・・。前にもその手は使いましたよね・・・。もういい加減に観念して、出すべきものを出したらどうなんです」
 夫  「は?」
 編集F「夫のドケチネタでもいいじゃないですか。お宅の旦那、ネタの宝庫ですからね」
 夫  「はあ・・・。妹子は今、留守ですけど」
 編集F「ほう、次はその手できましたか」 
 夫  「・・・・・・・」
 F氏は自分のことを「百人の女の声を聞き分けられる男」だと豪語していた。しかし、我々「一卵声夫婦」の前には、彼の得意技も通じなかったのである。

6月26日(金)
 私の声は生まれつきだが、最近は「環境ホルモン」というものがあるので、油断できないよね。なんでも環境ホルモンは、オスがメスに、メスがオスに近づくという異常事態を引き起こすらしい。
 こりゃ、えらいことだ。
 そして、先日専門学校に勤めるTさんが、
「今年はオカマが二人、入学してきた」
 と言うではないか。これまた、環境ホルモン汚染の好例だろう。
 もっとも、そのうちの一人は元オカマ・バーの従業員。だから本物のオカマかどうかは未確認らしい。
 しかし、もう一方の男は不気味な化粧をしており、妙に上半身ピチピチの花柄シャツなんか着てくる。その上、自分を「あたし」と言うそうだから、こりゃもうオカマだと期待していいと思う。
 しかし体は骨太でがっしりしており、身長もある。色も浅黒い東南アジア系。なのにカツラをすっぽり被ったような密集した長髪を、指先でいじくりまわす仕種がマッチョ体型に不釣り合いで、「戦慄が走る」 とTさんは語っている。
 授業中もコンパクトを出して、化粧を直しているそうだ。
「あたしぃ、男だけどぉ、松田聖子を目指してるの。エステにも通うつもり」
 と作文にも書いてきたらしい。
 内科検診の時は、
「エエーッ。脱ぐんですかぁ?」
 と、黒くて厚い胸板を押さえてモジモジし、「二年の石井君って、ステキ。野性的だわぁ」 などと公言しているという。
「自分の顔の方が、よっぽど野性的だ」
 とも、Tさんは言っていた。
 それにしてもエステに行ったら、バスタオルで胸から隠すのか? 地グロでマッチョ男なのに、女と並んで横たわるのか? それにエステって、ビキニライン脱毛か? など、限りなく疑問は湧いてくる。
 とにかく、世の中複雑になった。教育界も大変だろうと、とりあえず社会派の疑問でまとめておきたい私である。

6月27日(土)
 というわけで、私は職場のロッカーに陶器のどんぶりを一個用意している。カップラーメンを食べるのに使うのだ。
 カップ麺の容器にも、環境ホルモンの疑いがある。だから湯を注ぐ前に、麺をどんぶりに移し替え、発泡スチロール容器は決して使わないのだ。完全ではないにしろ、とりあえず危険度は半減。自分では名案だと思う。
「そこまでするなら、カップ麺食うなッ」と言う人も、いるにはいるが。
 とはいえ、なぜこれほどまでカップ麺に慎重なのか?
 実を言うと、私は松子お姉様という環境ホルモン汚染の実例を知っているからなのだ。
「鉄の女・マッチャー」の異名を持つ、我が家の長女=松子様・・・。「私は経済的にも、社会的にも自立している」という名言を残し、「旅行に連れていく男は、金は出すからイイ男にしたい」とおっしゃっていた松子様(本誌3月号)。そして「鼻毛・尻毛論争(本誌5月号)」でも有名になった松子様は、なんと過去三年間に、約千個のカップラーメンを食べていたのだ。
 最近、ますます破壊力を増したと言われていたが、そのパワーの源は、実は「環境ホルモンによるオス化」ではないか? この「オス化」問題がマスコミで取り上げられた時、我が家では「お~、松子様のことだわ」と全員が納得したのだ。
「手足は小さく、ムダ毛もなくてツルツルしているのに、心臓には毛がはえている。おそらく心臓だけが、急速にオス化したものとみられます」
 ある日、梅子お姉様は、松子様をそう評していた。それほど冷静に実の姉の汚染状態を語れる妹も、ある意味で珍しい。
 それにしても世の中、いったいどうなって行くのだろうか…。

(注:これは十年前の記事なので、念のため。今、私は独身ですから。)
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