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『奔馬』の論文完成を目指すわん!

CIMG1719.jpg釧路から川湯温泉駅へ向かう列車から。釧路湿原の風景。



八月九日の日本近代文学会学会(釧路大会)に参加して、思いました。
来年の札幌大会では、この私が研究発表したい!!

ということで、今から来年の夏の発表に向けて、準備したいと思います。
なにぶん、目標と締切りがないと何も出来ないという自堕落な性分なので、
自ら締切りを設定しようと思い立ちました。

主題はもちろん、三島由紀夫の『豊饒の海』(四部作)。
今回はついに、その二作目『奔馬』に突入しようと思います。

一応説明しておくと、『豊饒の海』は三島の遺作で、四巻から成っています。
つまり続き物。しかも第一巻の主人公「清顕(きよあき)」が
「輪廻転生する」ということになっており、
三島にはあり得ないような非現実的設定。
構成は以下。

『豊饒の海』(ほうじょうのうみ)  
     第一巻 『春の雪』(はるのゆき)
      (映画では清顕を妻夫木聡、聡子を竹内結子がやってましたね)
    第二巻 『奔馬』(ほんば)
    第三巻 『暁の寺』(あかつきのてら)
    第四巻 『天人五衰』(てんにんごすい)  

あらすじ
〔第一巻『春の雪』〕 
大正元年、松枝侯爵の一人息子である美少年清顕は十八歳。二歳年上の幼なじみ、綾倉聡子の求愛を無視し続けていた。ところが、聡子が洞院の宮と結婚することが決まると、清顕は強引に聡子を我が物にする。許されない恋愛の末、聡子は妊娠。結局堕胎し、奈良の月修寺で出家してしまう。清顕は病を押して月修寺に通うが、聡子との面会を拒まれ続け、親友の本多との再会を約し、二十歳で死ぬ。

〔第二巻『奔馬』〕   
判事になった本多は、清顕の生まれ変わりである飯沼勲に会う。勲は正義を貫くため、財界首脳の暗殺を実行し、自身も切腹する(推定二十歳)。

〔第三巻『暁の寺』〕  
四十七歳になった本多はタイを訪れ、自ら勲の生まれ変わりだと語る少女:ジン・ジャンに会う。本多はジン・ジャンに恋をするが、同時に認識の世界から逃れられない自分に絶望。ジン・ジャンは、コブラにかまれて二十歳で死ぬ。

〔第四巻『天人五衰』〕
七十六歳の本多は、清顕の生まれ変わりとしての証拠を持つ少年:安永透を養子に迎える。しかし、本多は透に虐待され、透は二十歳を過ぎても生き続ける(清顕の生まれ変わりなら、二十歳で死ぬはず)。地位も名誉も失い、死の病に侵された本多は月修寺を訪れる。しかし、そこで六十年ぶりに再会した八十二歳の聡子は、驚愕の発言をするのだった・・・!


CIMG1726.jpg川湯温泉のお土産屋の前で。  一木作りの彫刻を、「一部分壊れたから、もう要らない」と言う持ち主から譲り受けて来たところだそう。 でかい!!



『豊饒の海』の問題点は、ざっと挙げると、以下です。

1.最終場面の聡子の台詞(これはネタバレになるので秘密)が、
あまりにもアンビリーバブルで、驚天動地の内容であること。

2.三島由紀夫の小説に、このようなファンタジーもの
(現実世界とはかけ離れた、物語設定)は、他にないこと。
つまり、なぜ「輪廻転生」なのか? という素朴な疑問が生じるということ。

3.この驚天動地の最終場面を書いたその日(昭和45年11月25日)に、
三島由紀夫は切腹して死んでいること。



そして、この驚きの結末を論理的に解釈した人は、現在のところ
居ません。居るとすれば、それは私ですよね。ふっふっふ。

それにしても、なぜ輪廻転生なのか、そして本多の役割とは?
など、謎は尽きない小説ですし、あまりにも問題が大きいので、
今まで真っ正面から切り込む研究者が少なかった(居なかった?)
というのが現状だと思います。


・・・・・ちょっと、大風呂敷を広げすぎました。
とりあえず、私のライフワークとしたい小説です。

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COMMENTS

さすがですわ。

えいやっ、と広げた大風呂敷、畳まずにそのまま邁進して頂きたいわ。
私にはとても真似の出来ない勤勉さを誇る妹子お姉さまですから
きっと素晴らしい結果が出ると思いますわ。
来年も一緒に北海道に参りましょうね。

ところで1枚目の写真、とてもいいですわ。
こういう景色は引き込まれます。
私は何時間観ていても飽きませんわ。
地平線に弱いんですわ、きっと。

そうそう、今日東青森のユニバースでバッタリS本さんに会いました。
あちらから私を認めて声を掛けて下さいましたわ。
1度お会いしただけなのによく覚えていてくださったものです。
今度是非、本町のバーで、と申し上げておきました。

帰京の荷物の整理は半分終わりました。
明日は仕上げで御座います。
今夜は早めに寝ることに致しますわ。

ご声援有り難う御座います。

早速今日、大学院でお世話になったY先生にお話を聞いていただき、
今後の方針を決めました。
五年前のように、『奔馬』を要約するところから入っていくつもりです。
とはいえ、文庫本で440ページですから、長い!
『春の雪』は405ページでしたから、それより長いんですねぇ。
トホホホホ。
でも、10月始めには、要約したものを先生に見ていただくことになっているので、
やらないわけには参りません。
「やれば出来る!」の精神でがんばりまふ。

荷物整理、出来たでしょうか?
次回、来青した時は、遊仙・谷地温泉、本町のバーですね。
行きましょう!
まず、日程を決めて下さい。
ふっふっふ。

No title

初めましてSと申します。
将来、三島と川端の研究をしようと考えている者です。
偶然、調べものをしている際にここに辿り着き、気になったので一言書かせて頂きます。

もちろん研究をしたものではないので、素人の戯言と受け取って頂きたいです。

三島が2.26事件に傾倒していたことは明らかですが、第一巻の「春の雪」、この意味は2.26事件の朝に降っていた雪を表したものではないかと思います、そしてその観点を補うように、清が聡子を最後に訪れる日付が2月26日、さらに雪となっています。

また、この作品全体を通じて聡子とは天皇の象徴ではないかと私は考えています。すると、聡子が最後にいう台詞にも合点がいきます。

そして、そのように天皇に裏切られる事となった三島は11月25日にそれを理由とし、割腹したのではないかと思います。

また、三島が脱稿した期日はその日ではなかったかもしれません。意図的に決行日を書面に残すという理由のみで、その日に編集者に手渡したのではないかと思います。

S様、有り難う御座います。

貴重なご意見、ありがとう御座います。
将来、三島の研究を志していらっしゃるとのことですので、
お若い方なのでしょう。頑張ってくださいませ。

ところで、
聡子が「天皇の象徴」とすると、最後の台詞はどのように解釈されるのでしょうか?
興味がありますので、是非お聞かせ下さいませんか。
ちなみに私の論文では、「清顕にとって聡子は、春日宮妃の身代わり」
という解釈です。
「聡子=天皇」と、近いと言えば近いですよね。

No title

早速のご返信ありがとうございます。

妹子さんの「清顕にとって聡子は、春日宮妃の身代わり」 という解釈にももちろん合点がいきます。というよりも、物語、清顕の心情から察するとそう解釈するのが最も自然だと思います。

ただ、私の意見としては「清顕の心情」よりも「三島の心情」に重きをおいて解釈をしているという点で、多分妹子さんとの違いがあるのだと思います。

そして、最後の台詞ですが、昭和天皇の戦争責任論というものを考えてみれば私は自ずから三島があの台詞に込めた皮肉というものが分かると思います。

つまり、昭和天皇ご自身が言ったかどうかは別として、戦争責任論の中でよく取り上げられるのは
「昭和天皇は戦争を行いたくなかったが、軍部によって無理やり行わされた」
というものです、しかし、この発言が真だとするならば、太平洋戦争をはじめとした戦争の中で『錦の御旗』を頼りに死地に赴いた若者達は一体どうなるのか。

そして、また清顕(2.26事件の若者達)もそういった翻意の犠牲者ではないのか。

それこそが三島の言いたかった事なのではないか、そして、その思いは脱稿した日に三島が割腹自殺をした事へとも繋がっていくのではないかと思います。

ただ、前回書かせて頂いた通り、私は研究者ではありません、そのため、論拠を示す事は出来ませんので、戯言ととって頂きたいと思います。

最後になりますが、私は三島の天皇論には賛成ではありませんし、三島の割腹自殺も美化しかねます。ただ、彼の伝えたかったであろう、「若い感情」の力強さと純潔さには、心より美しいと感じる事が出来ます。

是非研究頑張って下さい。

なるほど、わかりました。

S様は、「三島の心情」にご興味がおありなのですね。
分かりました。

研究者には2種類あるそうで、一つは作品論者、もう一つは作者論者だと思います。
私は、前者なのです。
三島由紀夫自身には特に興味はなく、
作品だけで読み解こうとする方法を取るので、
確かにS様とは立場が違いますね。
私は、もう二十年近く前に『豊饒の海』を読破したときの衝撃が忘れられず、
いつか絶対このラストシーンを解釈してやろう!と思っていました。
それで、わざわざ大学院まで五年前に進んだわけです。

でも、S様のご意見も参考になります。
ありがとう御座いました。
S様こそ、将来の研究を成し遂げてくださいますよう。

私も、なんとか言ってしまったこと(論文完成)は
実行すべく、がんばります。

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