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6月13日の花嫁たち

行儀は良し散歩していると、通行人に、いきなり爆笑されることもある由紀夫。



Pink Tea Time 2008年7月号

七月十一日
 親族の結婚式で札幌に行った。式は六月十三日の金曜日、友引。
 六月の花嫁は幸福になると言うが、なぜよりによってこの日なのかと疑う人は少なくないであろう。しかも挙式会場は瀟洒なキリスト教会…。いくら新郎の実家が、神道を信仰する氏子の家であるとはいえ、キリスト教の「十三日の金曜日」は知っていそうなものである。
 内心、そう訝しみながらも、大野家からは御母様と私が二人出席した。教会での結婚式に出るのは二度目だが、今回も、まるで韓国ドラマの一場面のようにロマンティック。しかも新郎新婦は揃って美しく、出席者全員に、ヨン様とチェ・ジウを彷彿とさせたと言って過言ではない。

 …夜の散歩。神聖なパイプオルガンの音に誘われ、ユジンとチュンサンが教会に入っていく。教会では結婚式のリハーサルが。その後、聖母像の前に跪き、愛を誓う二人。

マフラーを巻いたチュンサン「愛する人と、その人に似た子供達のために、僕が暖かい手となり 丈夫な足となりたいのです。愛しています…」
ユジン「…(涙目で頷く)チュンサン…」
BGM 「~ネガ~オポシッポイッテマダノン。ナ~ル、ウ~ロボリゲマンドゥニカ~ァ」

私「…ってなことに、うまいことならないかしらねぇ」
御母様「おや、妹子。どうかしたのかい? もうじき、披露宴が始まるよ」
私「おっ・・・」

 さて、続く披露宴。
 幸せいっぱいの二人を代表し、挨拶をした新郎の言葉に、私はこの上もなく深い感銘を受けた。
「僕の花嫁は、世界一です。世界一の花嫁を貰って、僕は幸せです!」
 その時、私は密かに心の中でつぶやいていたのである。
「…十五年前の六月十三日、実は私も結婚したことがあったのよねぇ」

七月十二日
 全くの偶然であるが、六月十三日は私のかつての結婚記念日であった。勿論、その後、離婚に至ろうなどとは、夢にも思わず結婚したのである。つまり私も、過去には幸福を約束されていた花嫁であったということだ。
 それにしても、六月の花嫁は幸せになるなどと、一体どこのドイツが言いだしたのか。月毎の離婚率統計を見せてみやがれッ!というのが、今の私の正直な感想である。
 帰宅後、梅子様にその話をすると、
「ほほほ、妹子さん! Sさんもこう言っていましたよ!」
 Sさんとは梅子様の知合いで、数年前に恋愛結婚したそうだが、最近しみじみこう語ったというのだ。

Sさん「私、最初はこの人と片時も離れたくないって思って結婚したんです。でもそのうち、夫は週に一度だけ帰ってくれればいいかなって思うようになったのは何故なんでしょう」
梅子様「ほほほ、皆、そんなものですよ」
Sさん「そしてそのうち、夫は給料日に帰るだけでいいやって思い始めたんです」
梅子様「ほほほ、わかるわかる」
Sさん「でも、私、最近思うんです。『文通結婚』も有りだなぁって」
梅子様「ほ…」

 人生には不思議が満ちあふれている。その不思議の中に、「同じ過ちを、何度でも繰り返す」ということが、ぶっちぎりの一位でランクされるのではないだろうか。
 もちろん今回の新郎新婦に、私の元結婚記念日の事などは語らなかった。二人の幸福を、心から祈るのみである。アーメン。

七月十三日
 ところで「同じ過ちを、何度でも繰り返す」という人生の不思議は、私の人生の中でも数え上げればきりがないが、その中に、
「締切りの前の日でないと、原稿が書けない」
 というのがある。
 いや正確に言えば、今月のこの原稿は、もうとうに締切りが過ぎているのではないか。っていうか「グラフ青森」の場合、本当の締切りはいつなのかということさえ、私は本当に知らない。大概は、敏腕編集者F氏からの電話の、
「あの~、原稿の方、宜しくお願いしますぅ~」
 という、本当に判で押したような台詞で「ハッ!」と我に返り、「ガバッ!」とパソコンに向かうという図式になっているのである。
 他にも、毎晩「明日は十分早く起きる!」と誓って寝ても、毎朝ぎりぎりまで寝ている。「明日こそは絶対早く起きて、朝のうち原稿を仕上げる!」と思って寝ても、起床時間はいつもと変わらない。そして結局深夜に、焦って原稿を書いている。また、「今週こそ、台所に汚れた食器を溜めない!」と誓っても、三日後の流しには食器があふれかえっている…など、情けないことこの上ないという状況だ。
 そんな私が、この『Pink Tea Time』を十六年以上、一度も休まずに書いてきたという事実は、考えてみれば凄い。これも全て「締切り」の成せる技である。だから、誰か私に「あの~、食後の皿洗いの方、宜しくお願いしますぅ」
 と、毎日電話してくれれば、台所も片づくのではないかと思うのである。
しかしこれは、同居人から言われるのでは決して駄目だ。例えば、夫になんか言われたら、超ムカツクだけなのである。
先日も、ある中年夫婦と話していて驚いた。二人ともフルタイムで働いているご夫婦なのだが、奥さんが、
「休みの日、夫は何もやらない。お茶も入れない」
 とこぼすと、旦那さんは、
「あれ? お前、家事は好きでやってるんだと思ってたけどな」
「・・・・」
 これで結局、熟年離婚に至るのである。世の中の男一般に見られる、恐るべき想像力の欠如。そして世の中に、「文通結婚」願望が蔓延していくのである。
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